NBAの契約形態の中に、「Exhibit 10契約(エグジビット10契約)」という言葉があります。
これは、特に若手選手やドラフト外選手がNBAにチャレンジする際の“登竜門”的な制度で、NBAチームとGリーグ(下部組織)を結ぶ契約形態として非常に重要な役割を担っています。
この記事では、河村勇輝選手のようにNBA入りを目指す選手にとっての「Exhibit 10契約」とは何か、仕組みやメリット、今後の可能性についてわかりやすく解説します。
Exhibit 10契約とは?

Exhibit 10契約とは、NBAの1年契約の中に含まれる特別条項のこと。
この契約を受けた選手は、トレーニングキャンプに参加しながらも、最終的にはGリーグのチームへ所属することを前提とした「育成目的」の契約になります。
ポイントは以下のとおりです。
✅ 契約の主な特徴
- 1年・最低保証額のNBA契約
- 基本的には無保証契約(ギャランティなし)
- トレーニングキャンプへの参加が可能
- キャンプ後にウェイブ(契約解除)された場合、Gリーグ所属に切り替え
- Gリーグに60日以上在籍すれば最大75,000ドルのボーナスが支給
- Two-Way契約への昇格も可能
つまり、NBAチームは「この選手を育てたいけど、いきなりNBA本契約は厳しい。でもウチのGリーグで育てたい」と思ったときに活用する制度です。
Exhibit 10契約とTwo-Way契約の違い
項目 | Exhibit 10契約 | Two-Way契約 |
---|---|---|
NBA出場 | 原則なし(トレーニングキャンプまで) | 最大50試合程度(2023-24以降)出場可能 |
所属先 | Gリーグ(60日以上) | NBAとGリーグの両方 |
昇格の可否 | Two-Way契約に昇格可能 | NBA本契約に昇格可能 |
サラリー | Gリーグ年俸 + 最大$75,000のボーナス | 約50万~60万ドル(NBA出場分に応じて増加) |
Exhibit 10契約は誰のための契約?
この契約は主に以下のような選手が対象です。
- NBAドラフト外の選手
- サマーリーグで活躍した選手
- NBA入りを目指す海外選手や大学卒業選手
- Gリーグ育成対象として評価される若手
まさに、河村勇輝選手のような存在にピッタリの契約形態といえるでしょう。
河村勇輝は今、どんな立ち位置にいるのか?
河村勇輝選手は昨年、メンフィス・グリズリーズと2way契約を結び、GリーグやNBAキャンプに参加してきました。そして今季、彼はシカゴ・ブルズのサマーリーグロスター入りが報じられています。
彼のような選手が通る道は、概ね以下の流れです。
- Exhibit 10契約や2way契約でNBAチームに所属
- トレーニングキャンプでアピール
- Gリーグでプレイしながら成長
- 評価されれば、Two-WayやNBA本契約へ昇格
Exhibit 10契約は「夢のチャンス」でもある
Exhibit 10契約は一見すると「下部リーグ行き」と捉えられがちですが、NBAチームとの明確なパスが存在する貴重なチャンスでもあります。
選手にとっては、
「一度きりのチャンスを掴むか」
「結果を出せばNBAに昇格できるか」
を賭けた真剣勝負の舞台です。
河村選手のようなプレイヤーがこの契約を通して成長し、日本人としてNBA本契約を勝ち取る日も、そう遠くないかもしれません。
まとめ
- Exhibit 10契約は、NBAとGリーグをつなぐ育成重視の契約
- Gリーグ在籍+成果次第で最大7.5万ドルのボーナスも
- Two-Way契約への昇格ルートも備えた“足がかり”となる制度
- 河村勇輝選手のような若手にとって、NBA挑戦の入り口として極めて重要
今後のサマーリーグやプレシーズンマッチでの河村選手の活躍からも目が離せません!
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