明日、健康診断でレントゲンを撮るのだけど、着ていく服装で気を付けておくことはありますか?
この疑問に答えます。
会社の健康診断や、体調不良で病院を受診する際、レントゲンを撮ることがありますよね。
レントゲンを撮るときはX線という放射線を使いますが、写真を撮った際、以下のようなことが原因で診断に適していない画像が撮れることがあります。
- 画像に異物が映っていた
- 画像がぶれていた
- 撮影方法を間違えた
放射線技師も撮影時にはコミュニケーションをとりながらチェックしていますが、やむを得ずレントゲンを撮りなおすこともあります。
その多くが、下着やアクセサリーなどが写真に写ってしまっていたときです。
本記事は「画像に異物が写っていた」ときに焦点を当て、読むとレントゲンを撮る時に気を付けておくことがわかります。
- レントゲンを撮るときどんな服装をしたらよいか
- レントゲンを撮るときに気を付けておくべきこと
レントゲンが撮り直しになると、余計な被ばくをしてしまうことになります。
健康診断などで行う「胸部レントゲン」はわずかな被ばく線量ですが、余計な被ばくであることには変わりませんので注意しておきましょう。
レントゲンを撮るときの服装で気を付けること6選
レントゲンを撮るときに、金属やプラスチックなどの異物が写ってしまうと「撮り直し」となります。
少量ですが、余計な被ばくをしてしまうことになります。
放射線技師の立場から、患者さん側にも気を付けてもらいたいのは主に以下の項目です。
- ブラジャーのホックやワイヤー
- キャミソールの肩紐調節部分
- 磁気や金属ネックレス
- ズボンのボタン
- 濃い文字プリントなど
- ホッカイロやエレキバンなど
これらが画像に写りこんでしまうと、撮り直しとなります。
検査着を貸し出す場合もありますが、1日に何十人も検査を行うため検査着を大量に用意する費用や、洗濯費用などもかかります。
そのため、多くの病院では患者さんの服装について協力をお願いしています。
①ブラジャーのホックやワイヤー
「ブラジャーは外してください」
この言葉は一般の人でも聞き覚えがあるのではないでしょうか。
図のように、ブラジャーに金属が使用されているとバキバキに影響がでます。
検査前にお願いすることもあります。
金属やプラスチックのついているブラジャーや下着ははずしてくださいね。
検査前に声はかけますが、恥ずかしさなどからか、下着をつけたまま検査着を着る方もいます。
100%撮り直しになりますので、余計な被ばくをしないためにも注意しておきましょう。
余談ですが、レントゲンを撮っても影響のないブラジャーや下着を着用しておくのはOKです。
タンクトップとかノンワイヤーのものがオススメですよ。
私の妻も検査でレントゲンなどを取る際は、ノンワイヤーの下着やスポーツブラなどを着用しているそうです。
キャミソールタイプの下着を使用しているときは、肩紐調整用のプラスチック部分にご注意ください。
②キャミソールの肩紐調節部分
2つ目はキャミソールなどの肩紐にあるプラスチックのものです。
「下着などに金属やプラスチックがあれば脱いでください」
と検査前に説明はしますが、キャミソールの肩紐部分に気が付いてない人が多いようです。
私も実際に経験があり、何名か撮り直したことがあります。
特に金属の調節部分は100%画像に影響がでます。
撮り直しとなりますので、注意しておきましょう。
③ネックレスなどのアクセサリー
アクセサリーなどあれば外してくださいね~
はーい。外しました~
コミュニケーションをとりつつ確認を行っても、外していない患者さんもぼちぼちいます。
ネックレスは金属のものがほとんどなので、画像に100%影響がでます。
また、金属のネックレスは当然ですが、下記のような磁気ネックレスもNGです。
健康診断では「胸部」のレントゲンを行います。
ネックレスを外し忘れると確実に撮り直しとなるので注意しておきましょう。
④ズボンのボタンや装飾
おなかや腰のレントゲンを撮るときに気を付けておきたいのがズボンのボタンです。
ジーパンなどズボンを履いて検査に来た時は要注意です。
チャックのない中央のボタンのみのズボンもあります。
「ボタンがない」と勘違いしがちです。
ズボンのどこにボタンがあるのか、しっかり把握しておきましょう。
ウエストがゴムタイプのズボンやパンツがオススメですよ。
⑤濃い文字プリントなど
胸やおなかのレントゲンを撮るときは、Tシャツに着替えるなどしていただきます。
ここで注意しておきたいのがTシャツや洋服の「柄プリント」や「ラメ、ビーズなどの装飾」です。
レントゲンを撮る機器の種類や、プリントの程度によっては写らない場合もあります。
Tシャツに着替える際は、無地のものを着用するようにしましょう。
無地のTシャツでも、色は「黒」がオススメです。
白は透ける場合もあるのでやめておきましょう。
⑥ホッカイロやエレキバンなど
冬場はとくにつけているひとの多い「カイロ」。
腰痛や肩の痛みなどがある人はよくエレキバンを貼っています。
どちらも、「金属」を含んでいるためレントゲンのときは外してもらわないといけません。
「外してくださいね」と伝えても、「つけてないと思っていた」と言われることも時々あります。
エレキバンもハッキリと白い点で写るのですが上の画像はさらにひどいですね。
これは実際に当院の放射線技師が撮影した画像です。
お年寄りだったので何度も確認したのですが、やはり「つけているのを忘れていた」とのことで撮り直しとなってしまいました。
ホッカイロやエレキバンは絶対に外してもらわないといけないので注意してください。
まとめ
レントゲンを撮るときに、患者さん側でも気を付けておいてほしいことを解説しました。
私たち放射線技師も、コミュニケーションを取りながら金属類などが写らないかどうかをチェックしています。
しかし、あまりチェックしすぎるのも患者さんのプライバシー問題やハラスメント問題につながりかねないご時世です。
最低限のチェックをしながら、患者さんにも協力していただくスタンスでやっている病院が多いのです。
余計な被ばくを避けるためにも、レントゲンを撮りにいくときは服装や身に着けるものには注意しておきましょう。
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