
診療放射線技師になりたいんですけど、どこの学校へいけばいいですか?
また、国家試験の合格率が高い理由を教えて下さい。
この疑問に答えていきます。
現在、診療放射線技師(以下放射線技師)になるために必要な教育を受けられる学校、養成校がどれぐらいあるか知っていますか?
現在はおよそ54の養成校があり、全国各地で放射線技師国家試験を受けるための教育が受けられます。

私が放射線技師になろうと思った理由は、単純に医療系の職業で画像診断がかっこいいと思ったからです。
どんな理由でも、放射線技師になりたいと思って学校を探し始めるのは良いことです。
筆者も、高校生のころに「放射線技師になりたい」と思ってから、どこにいけばいいのかわからず学校を探すことに悩んでいました。
卒業した今は、きちんと放射線技師になることもでき良かったと思ってますが、かかった学費などを考えるとやはり国立大学に頑張っていっておけばよかったかなぁなどと時々思います。
そこで、本記事では全国に展開する放射線技師の養成校を紹介するとともに、下記4つのことを解説します。
- 所在地
- 区分
- 国家試験合格率
- 初年度に必要な学費
- 合格率の高い放射線技師養成校はどこなのか
- 必要な費用
- 放射線技師養成校の選び方
本記事を参考に、進学先の検討を始めることができれば幸いです。

- 医療従事者(9年目、医療センターで勤務)
- ブロガー歴11か月(2021.10~)
- 放射線や感染症に興味があり勉強中
- 2022.4に新型コロナ感染・治癒
- 情報収集・精査が得意
- ブログ収益5桁達成
放射線技師になるために知っておくべきこと

放射線技師になるには、以下の条件があります。
- 文部科学大臣指定の学校
- 厚生労働大臣指定の学校
- 都道府県知事指定の養成校
- 3年以上の教育を受ける
全国に50を超える放射線技師養成校がありますが、すべて文部科学大臣あるいは厚生労働大臣により指定された大学・短期大学あるいは都道府県知事に指定された専門学校です。
また、放射線技師の国家試験合格率は、2020年度は全体で74.0%、新卒のみで83.0%でした。
2019年度の新卒者合格率は92.2%と9割を超えていますが、2020年度は少々問題が難しい傾向にあったようです。
放射線技師の国家試験合格率が高い理由【3選】

放射線技師だけでなく、多くの医療従事者の国家試験合格率は7割を超えています。
放射線技師で見ても新卒者の合格率は8割後半~9割程度をキープしており、高い数値と見てよいでしょう。
合格率が高い理由として以下のことが挙げられます。
- 国家試験対策がされている
- 勉強しすぎの学生が少ない
- 卒業試験がある
①きちんと国家試験対策がされている
国家試験は毎年完全に違う問題ではなく、似たような問題が出題されます。
教授や先生たちは国家試験の対策として問題を用意したり、傾向を分析したりと「合格率」を上げるために努力しています。
その甲斐があって、各養成校では高い合格率を出すことができます。

私も教授や講師に教えてもらいながら国家試験の過去問題を解いたり、傾向と対策を行いました。
定期試験などもたくさんあるので、基本を守ってコツコツ勉強しておけば苦労することはありません。
②勉強しすぎの学生が少ない
診療放射線技師の国家試験は医療系の国家試験の1つです。
医療系の国家試験は、医師を除けば比較的簡単な試験であると言えます。
学校生活において、勉強ばかりしているとかえって点数が取れなかったりします。
適度に遊び、友人たちとともに勉学をすることでお互いに高め合い、知識として身についていくのです。

試験終わったしボウリングいこうぜ!
息抜きもしすぎると成績が落ちてしまいますので、勉強も息抜きも適度にが一番です。
③卒業試験
私が通っていた大学でもありましたが、「卒業試験」というものが存在します。
卒業試験には注意しておかなければいけません。
卒業試験こそが高い合格率を出す最大の秘密です。
落ちてしまうと、
「国家試験を受けるだけの学力がない」
と認識され、卒業することができません。
国家試験の受験に必要な「卒業見込証明書」をもらうことができないのです。
ということです。
合格率が8割~9割というのはこの卒業試験にギリギリで合格するような人たちが落ちているからです。
厳しい世界ではありますが、この卒業試験には必ず合格できるように努力しなければならないのです。

ちゃんと勉強しないと、国家試験すら受けさせてもらえないのです。
なかには、厳しいと感じる学生もいるようですが、人命に関わる仕事をするわけですから学校側もある一定以上のラインは引いておく必要があるとの認識のようです。
全国の診療放射線技師養成校一覧

北は北海道、南は鹿児島県まで、全国には現在54の放射線技師養成校があります。
次の一覧表をごらんください。
一覧表にある学校名をクリックすると、その学校のホームページが開きます。
興味のある方はクリックして覗いてみてください。
複数の養成校のある都道府県もあれば、1つも養成校がない(=県外に出ないと放射線技師になれない)場所もありますね。
私も、九州に住んでいましたが本州の大学へ進学しました。
診療放射線技師国家試験の合格率の高い学校【19選】

放射線技師になりたい!と思うからには、国家試験に合格しなければなりません。
学校を選ぶとき、決める基準として国家試験合格率の高いところがやはり良いですよね。
もちろん、学校によって備え付けの設備や就職先の豊富さなどさまざまですが、国家試験に合格しないことにはそもそも放射線技師になることができません。
2020年度(最新版)の合格率の高い順に、学校別合格率をピックアップしましたのでご覧ください。
放射線技師国家試験の合格率の低い学校【28選】

合格率の高い学校を選ぶようにしたいですが、念のため合格率の低い学校もきちんと見ておきましょう。
自宅から通える学校の合格率が低いのは悲しいものです。
自宅から通えるというのは、メリットもありますので合格率が90%ないからと言って他の学校にした方がよいとは一概に言えません。
国家試験合格率が90%以上の学校と、90%以下の学校に分けて記載しました。
一方で、国家試験合格率が90%以下の学校を見てみると、下は47.40%と半分も受かっていない学校もあります。
2020年度国家試験の新卒者合格率が83.0%という結果でしたので、学校を選ぶなら、この数値以上のところが良いですね。
国家試験合格実績のない放射線技師養成校【7選】(2022年1月時点)

診療放射線技師の養成校は、徐々に増えており、2018年ごろからいくつか学校や学科が新設された学校があります。
合格実績のない学校はメリットとデメリットがあります。
合格実績のない学校のメリット
- 学校や設備が新しい
- 過去にとらわれない新しい教育
- 卒業者の話やコラムが聞ける
合格実績のない学校のデメリット
- 実績がないので未知数
- 卒業者の話を聞けない
2018年から7つの放射線技師養成校・課程が新設されています。
本記事は2022年1月に作成していますので、2018年に開校された学生さんは早くて(3年課程の場合)本年度の国家試験を受けることとなります。
各ホームページを見てみると、最新の設備で時代に合った技術・しくみを学べたりと教育の環境が整っているように感じます。
一方で、実績・歴史のある学校に比べると授業の様子がわからなかったり、卒業生からの講演やアドバイスなどがないなどのデメリットもあります。

新しいことに挑戦していきたいという方にはオススメできるかもしれません。
放射線技師養成校にかかる費用(初年度)

学校を選ぶとき、合格率も重要ですがやはり必要な授業料・学費は見ておかなければなりません。
希望の学校に合格できたとしても、何十万・何百万という高い授業料を払わなくてはならないからです。
家庭の経済状況もさまざまです。
授業料の安い学校
授業料の安いところはどこか。
放射線技師養成校を選ぶとき、基準の一つにしてよいと思います。

私としては、国立大学を第一に目指すことをオススメしたいところです。
お住いの地域に国立大学がない場合などは、私立大学や専門学校も視野に入れてよいでしょう。
国立大学・県立大学
国立の大学は授業料などが一律で決まっています。
初年度にかかる費用を見てみましょう。
国立大学の初年度にかかる費用は、817,800円です。
このあと私立大学や専門学校と比較しますが、見るからに安いことがわかります。
また、同じ公立大学という区分で、都立や県立の大学も存在します。
自衛隊の放射線技師養成所
番外編とはなりますが、自衛隊中央病院に診療放射線技師の養成所があります。
みなさんご存知の通り、自衛隊や自衛隊の教育機関に所属すると給与がもらえます。
そのため、自衛隊の放射線技師養成所の授業料はかかりません。
0円です。
しかし、募集人員は20名だったりと高校の成績がトップクラスでないと入学することは難しいと言われています。
また、放射線技師養成所を卒業したあとも、自衛隊指定の医療機関や部隊などで勤務しなければ相応の授業料等を返還しなければならないとされています。
メリットとしては、自衛隊という厳しい環境に所属することで、
- 給与
- 人間性
- 精神面
- 体力
などさまざまな面において成長・形成できることは間違いありません。
私立大学
学費の面で国立の大学を選ぼうとしたが、学力が足らず私立大学を志望した。
という話は学生からよく聞きます。

私も私立大学を選択しました。
筆者も、国立大を目指していましたが、センター試験に向けての成績が思うようにあがらず私立の大学を志望して受験しました。
しかしながら、国立大と比べると2倍以上の学費がかかってしまうことに注意しなければなりません。
私立大学は軒並み高額な学費がかかります。
杏林大学はホームページを見てみると4年間で約700万もの学費がかかるようです。
学費分を稼ぐだけと考えてもゾっとしてしまいますね・・。
お金に余裕のある家庭なら良いですが、奨学金制度を利用している学生もたくさんいるようです。

私も日本学生支援機構の奨学金制度を受けました。
実家通いなら良いですが、県外や郊外で一人暮らしをするとなると生活費も必要です。
学費以外にも仕送りをしてくださら保護者の方にはたくさん感謝しましょうね。
専門学校
公立大学、私立大学以外に、専門学校があります。
専門学校は1年間にかかる学費は私立大学とそこまで変わりありません。
しかし、特徴的なのが修業年数が3年間でよいところが多いことです。
専門学校の多くが高額ですが、大学と違い3年制が多いのが特徴です。
学費、生活費などは3年間で済みます。
1年間の学費を150万円と例えてもかかる費用の軽減はものすごいものですね。
1年間となると家賃や食費なども当然かかるわけです。
放射線技師になりたい!という明確な目標があれば3年間の最短ルートもアリだなと筆者は考えます。
放射線技師養成校の選び方【4選】

ここまで放射線技師の
- 国家試験合格率
- 初年度に必要な学費
を紹介しました。
では、放射線技師になりたい!と思う時どの学校を選べばよいでしょうか。
私の経験と情報に基づき以下の項目で選定するのがオススメです。
- 実家から通える国公立大学
- 県外なら国立大学
- 合格率の高い養成校
- 3年制の専門学校
①実家から通える国公立大学
実家から通えるというのは何より強みです。
親のすねかじりとは言わずに、しっかり勉強をして甘えていいと思います。
中にはアルバイトをして生活費を一部家に入れるなど経済的に協力をする学生もいるようです。
- 実家の安心感
- 生活費が余分にかからない
- 帰省しなくてよいので交通費がかからない
多くは金銭面でのメリットですが、不安要素の多い県外での一人暮らしより安心できる環境で勉強することができるのも強みですね。
親元で勉強をできるというのはとても過ごしやすいと思います。
必要な費用を考えた時に、実家通いなら私立大学でも良いよというケースもあるかもしれません。
②県外なら国立大学
そもそも放射線技師の養成校は数が少ないので、お住まいの地域や隣県に学校がない場合ももちろんあります。
その時は、県外の国立大学を選びましょう。
やはり費用面が莫大にかかりますので、少しでも学費を抑える面でも国立大学は第一選択になりうるでしょう。
経済的に余裕のある場合は、合格率の高い私立大学でも良いと思います。
③国家試験合格率の高い養成校
費用面を考慮しない時は、やはり国家試験合格率の高い学校が良いです。
高い学費を払っても、最終的に国家試験に合格しないとすべてが無駄になります。
各学校によって授業の質にも違いがあると思いますが、”合格率が高い”ということはしっかりと国家試験の対策がされており、質も高いと思って良いと思います。
④3年制の専門学校
国公立・私立の大学では4年間の学習をしますが、放射線技師として最低限の学習に集約しているのが3年制の専門学校です。
最短で放射線技師になりたい!という明確な目標があれば選択肢にいれても良いでしょう。
- 4年制に比べて1年間の学費・生活費がかからない
- 短い期間できっちりと学習できる
- 早く働き始められる
- 授業ばかりになる可能性がある
- ”放射線治療”の分野をやるなら4年制と言われている
- 国家試験に落ちれば3年制にきた意味がない
同じ私立・専門学校でも4年制と3年制ではさまざまな面で違いが出ます。
3年制の専門学校のカリキュラムを見てみると、ぎっしり詰まっているものもあります。
大学で4年間やることを3年間に凝縮するので当然といえば当然ですね。
また、放射線治療の分野を目指したい方は専門学校はやめておきましょう。

医療機関以外にも放射線技師の活躍の場所はあります。
医療機器メーカーが代表的ですが、専門的な知識、あるいは高度な工学系の知識が要されるので大卒以上の求人がほとんどのようです。
現在の私の給料について以下の記事にしていますので是非参考にしてください。
まとめ

放射線技師を目指す学生さん。
あるいは、社会経験を経て放射線技師を目指したいと思っている方。
放射線技師になりたいと思ったとき、まずは国立の大学を目指してみると良いでしょう。
学力が足りないときは、私立大・専門学校の選択肢もあります。
現役技師の私が言うのもなんですが、
- 就職先によっては給料が全然上がらない
- 就職したい場所の求人がない
などの現状があるのは確かです。
ですが、目に見えない”放射線”を取り扱うことのできる職業として、とてもやりがいがある職業が放射線技師です。
- 患者さんの診療に貢献できる
- 放射線の知識をさまざまな人に解説できる
- システム関係に強くなれる
私もまだまだ勉強中の身ではありますが、今回は放射線技師の養成校について述べさせてもらいました。
ぜひ、放射線技師を目指してみてくださいね。
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