厚労省認可の抗原検査キットとは何ですか?
どこで買えますか?
また、通販やドラッグストアに売ってある研究用の抗原検査キットとの違いを教えてください。
この疑問に答えていきます。
『医療用』の抗原検査キットについては薬局または通販サイトで薬剤師による説明を受けたもののみ、購入することができます。
ドラッグストアや通販などで販売されている抗原検査キットは『研究用』と呼ばれ治験を経ておらず診断には使えないことが特徴として挙げられます。
抗原検査キットは現在2種類存在します。
- 医療用(体外診断用医薬品)
- 研究用
違いがよくわからねぇな
本記事で詳しく解説します。
- なぜこのタイミングで販売解禁なのか
- 医療用と研究用の違いは何か
- 医療用の購入手順は?
- 結局私たちはどうすればよいのか
本記事では上記の点を詳しく解説していきます。
『医療用』の意味と販売解禁の理由
医療用の抗原検査キット
医療用の抗原検査キットは『体外診断用医薬品』と呼ばれ、国に承認されたものとして位置づけられています。
厚労省や自治体など公的機関は『抗原検査キットは体外診断用医薬品を選んでください』と呼びかけています。
注目すべき点は『国から承認を受けている』という点のみです。
『研究用』とされる抗原検査キットについては海外で製造されたものが多く、国の承認は受けていません。
『国の承認』の意義
『国の承認を得ている』
筆者もさまざまなことを調査しましたが、これにあまり大きい意義はありません。
しいて言うなら『国の公認=信頼性がある』ということでしょうか。
研究用抗原検査キットの中には『CE認証』といい海外製造ではあるものの、EU(ヨーロッパ)連合の一定以上の基準を満たすものにつけられる認証マークがついているものもあります。
『研究用』というだけで精度や質が悪いのかと思う方もいますが実際の事情はそうではありません。
CE認証についてはこちらをクリック(タブが開きます)
CE認証とは?
CE認証は、CEマークともいわれすべてのEU加盟国の基準を満たすものに着けられる基準適合マークのことを指します。
CE認証がされている商品は欧州その製品が安全であることを示し、消費者が購入する際の基準の1つされています。
本記事でご紹介する抗原検査キットも5つのうち4つがCE認証されており、高い信頼性・安全性が確保されています。
CEは”Conformité Européenne:ヨーロッパに適合している”というフランス語に起因していると言われています。
販売解禁の理由
研究用抗原検査キットの中には2020年から販売しているものもあり、私たちになじみのある抗原検査キットは『研究用』であることは間違いありません。
ではなぜ政府はこの時期になって『医療用』の抗原検査キットを販売開始しようと思ったのでしょうか。
答えは医療のひっ迫および検査キットの不足が背景にあるからです。
筆者も医療関係者として発熱外来などに対応していますが、ここ最近の発熱外来患者および陽性患者の拡大は顕著です。
とくに無症状・有症状問わず抗原検査キットおよびPCR検査キットを使用するので、数が足りなくなってきています。
病院で検査できる数は患者・検査キットどちらも限りがあります。
そのため、まずは
『自分自身で検査をしてもらおう』
『無症状の時は発熱外来に来ずに自宅療養をして様子を見る』
ということを政府が推奨するようになってきています。
正直なところ「自分自身で検査を行う」部分に関しては『研究用』の抗原検査キットを用いて多くの人が行っています。
研究用抗原検査キットであっても、精度は確保されており診断に使えないだけで信頼性は高いです。
『信頼性』だけのための『医療用』といっても過言ではない状態と筆者は思います。
公的機関が発信するのが遅すぎるのです・・・
抗原検査キット:医療用と研究用の違い
名称 | 医療用抗原検査キット (体外診断用医薬品) | 研究用抗原検査キット |
---|---|---|
国の承認 | あり | なし |
種類 | 体外診断用医薬品 | 研究用キット |
販売箇所 | (薬剤師の説明後) | 薬局のみドラッグストア スーパー | 通販(Amazonなど)
購入方法 | 署名をして誰が購入したかを記録 | 薬剤師の説明を受ける通常の買い物と同じ |
陽性・陰性の診断 | (自治体HPを確認) | 確定診断可能(陽性の場合は医療機関へ) | 確定診断不可
陰性証明書 | 可能 | 不可能 |
価格 | 1000円~3000円程度 | 500円~3000円程度 |
備考 | 薬局へ行く必要がある | 通販で家にいながら買える |
売ってある場所 | 取り扱い薬局リスト (厚労省ホームページ) | 楽天市場 Yahooショッピング ドラッグストア etc | Amazon
最も違うのは『診断可能かどうか』ということです。
医療用の抗原検査キットであれば、陽性判定が出た場合自治体などのホームページより、陽性者登録を行えます。
しかし、研究用の抗原検査キットはあくまでもウイルスが検体にいるかどうかのみを判定するものなので、診断とはなりません。
研究用の抗原検査キットで陽性判定が出た場合は医療機関を受診して『確定診断』を受けてください。
結局医療用と研究用どっちを使えばいいの?
病院に行かなくて済むのは『医療用』だね。
いずれにしても、医療用の抗原検査キットを使いたい場合は事前に薬局へ行き、薬剤師の説明を受けたうえでご家庭にストックしておく必要があります。
なぜストックしておくの?
『症状がある状態で薬局へ行くのはよくない』からです。
感染拡大防止の観点からみても、発熱や咳、のどの痛みがある状態で薬剤師と対面で説明を受ける行為は望ましくありません。
『ストックしておくこと』が大事です。
研究用は使わないほうが良いのかどうか
厚労省は『研究用の抗原検査キットは精度が承認されていないので使わないでください』と発表しています。
SNSなどでも研究用は使わないでと発信している方を見かけますが、筆者的には一概にそうとは思いません。
CE認証といい、欧州で精度が認められたものも研究用の中には存在します。
厚労省が承認していないからと言って信頼できない抗原検査キットと思い込むのは間違いです。
抗原検査キットは医療用・研究用どちらの場合でも『陽性』が出たときはほぼ確実に陽性です(偽陽性の可能性が低い)。
しかし、『陰性』が出た場合、確実に陰性ではありません。
検査手技や、検体採取部位(唾液or鼻咽頭ぬぐい液)の状態により偽陰性の可能性があるからです。
以上のことから、あくまでもセルフチェックを目的とするのであれば『研究用』を使っても差し支えないと考えられます。
結局私たちはどうすればよいのか
これだけの感染拡大が進む中で、そもそも自宅で抗原検査キットを使って判定を出すことに何の意味があるのかと思われる方も多数います。
ただ、新型コロナウイルスは感染症法上で2類感染症に位置する以上、こうして検査をしなければ海外渡航や就業にも支障をきたします。
私たちが一人一人自分自身の状況を把握して体調管理・感染拡大防止にと努めなければ、被害を受けるのは『健康弱者』の方たちです。
新型コロナウイルスに感染すればさまざまな風邪症状に加えて高い感染力や重症化リスクを伴います。
筆者も2022年4月に感染しましたが、正直しんどかったです。
『普通の風邪』であれば会食しただけで家族内全員に広まることはないでしょう。
これから私たちがどうすればいいのかを以下に示します。
医療機関を受診したくない人『医療用』抗原検査キットをあらかじめ薬局で購入しておく
信頼性をとにかく求める人は、お近くの薬局にて医療用抗原検査キットを購入してご自宅にストックしておきましょう。
何らかの症状があるときは医療機関を受診してください。
あくまでも『感染疑いがない場合』に薬局に行ってください。
陽/陰性の判定だけ知りたい人は『研究用』抗原検査キットをAmazonなどで買っておきストックしておく
確定診断や陰性証明書の発行はできませんが、単純にセルフチェックとして判定したい場合は研究用で問題ありません。
万が一『陽性』の判定が出た場合は医療機関を速やかに受診しましょう。
『陰性』の判定であっても症状がある場合は感染対策を必ず行ってください。
結局はPCR検査のほうが精度、信頼性が高い
さんざん抗原検査キットについて議論はされているものの、無症状の方に検査をするなら抗原検査は不適切となります。
検査対象および検査の精度を考えるならPCR検査しか方法はありません。
検査対象は広く、精度も検査手技に寄らないため圧倒的に信頼性が高いです。
また、インターネットにおいてPCR検査はクリニックや中小の医療機関が行っており、担当の医師が所属しているところがほとんどです。
宅配による検査も行えるのでわざわざ薬局などで出向く必要がありません。
まとめと筆者からひとこと
価格もそこまで高価ではない(1000円~2000円程度)ため、いくつかストックしておくことをおススメします。
新型コロナウイルス感染症が2類感染症である以上、就業や外出、渡航などある程度制限されるのは仕方ない状況です。
感染拡大が続き医療ひっ迫が起きる中、自分自身で対応し医療機関の負担を軽減していく段階に入ってきています。
さまざまな情報を整理し、自分自身でどうしたらよいかしっかり決断してくことが大事です。
また、セルフチェックで健康管理を行う場合は『パルスオキシメーター』も併せてご検討ください。
抗原検査キットの使い方や、『研究用』の意味、研究用抗原検査キットのおススメを以下の記事で紹介していますので併せてごらんください。
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